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先生

立春を過ぎてもなお、身を切るような寒さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。季節は巡りますが、医療界を取り巻く寒風は、単なる気候の問題だけではない厳しさを増しているように感じられます。

さて、高市政権の誕生により、我が国は「強い日本」を掲げた新たな国家戦略へと舵を切りました。初の女性総理が打ち出す経済安全保障や防衛力の抜本的強化は、保守層を中心に期待を集めていますが、我々医療現場の視点から見れば、これは「医療の冬」がさらに長期化することを予感させます。政府は医療従事者の賃上げプラス3%分を半年前倒しで支援する施策を示しましたが 、防衛費の大幅増額や、積極財政に伴うさらなる円安・インフレの加速が予測される今、この「3%」という数字がいかに心許ないものであるかは、火を見るより明らかです。

これから起こるであろう社会現象を推察すれば、インフレによる輸入コストの増大が、公定価格で縛られた医療機関の収支をさらに圧迫することは間違いありません。一般病院の約7割がすでに赤字に転落している中で 、防衛や産業育成へ優先的に予算が振り分けられれば、診療報酬の抜本的な引き上げは後回しにされるでしょう。特に、人手不足はもはや医療界だけの問題ではなく、全産業での「人材争奪戦」へと発展しています 。他産業が物価上昇分を価格に転嫁して賃金原資を確保する中、価格転嫁が不可能な医療機関は、いわば「土俵に上がることすら難しい」状況に置かれ、労働市場から淘汰されていく未来が見え隠れします。

日本の医療事務は世界的に見ても特異で煩雑な仕組みであり 、高度な専門知識を要するスタッフの確保には、もはや「医療への貢献」といった精神論だけでは太刀打ちできないコストがかかります 。新政権が目指す「強く豊かな国」の足元で、国民の生命線である医療提供体制が、コスト高と人材流出によって音を立てて崩れていく。そんな皮肉な光景が現実味を帯びつつあります。

次期改定において、政府が「物価・人件費高騰への対応」をどこまで本気で議論するのか 、それは単なる数字の調整ではなく、国家として「医療を捨てるのか、守るのか」という究極の選択を迫るものになるはずです。

 

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医療法人恭青会

理事長 生野 恭司
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